当組合は2007年7月5日にHPで「成人向けジャンルの方々へ-重要なお知らせ-」という文章を掲げました。それ以降、皆さまも含めていろいろな議論が沸騰いたしましたが、ここでこのお知らせを発信した背景等について簡単にご報告したいと思います。
(A)このお知らせが生まれた背景には以下のような事件がありました。 |
7月初旬、四国の作家が「わいせつ図画の頒布」容疑で取り調べを受けました。続いて、その共犯容疑として、印刷会社が家宅捜索を受け、その後にいくつかの書店などが事情聴取を受けました。
8月23日、この作家は「わいせつ図画の頒布」容疑で逮捕されました。
その後9月12日までの間、身柄拘束されたままにて「略式起訴」されました。
この事件の発端は、警察側がネット上の通信販売で「わいせつ物に値する」という冊子を発見、さらに当該冊子の存在が「通報」されたため摘発に乗り出したものだそうです。
そしてこの冊子は「即売会」では頒布されていなかったものの、ネット通販と同人誌専門書店にて販売されていたようです。
この他に、6月には「松文館事件」の最高裁で「マンガもわいせつ図画に当たる」という判決が確定しました。
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(B)では、日本同人誌印刷業組合としてはどう対応したでしょうか? |
夏コミも迫ってきた7月の初旬、私たち同人誌印刷業組合としては、この切迫した環境で緊急会議を開催し、成人向け同人誌についてサークルに守ってもらうべきいくつかの指針を策定し、サークルの皆さんに呼掛けることに致しました。
(1) |
刑法175条に抵触すると思われる「わいせつ図画」は印刷できません。
はっきりと修正意識を持ってきちんと修正を施してもらうこと。 |
(2) |
あくまでも成人向けであり、未成人には売らないという販売姿勢を明確にするため、表紙には「成人向け」であることを表記してもらうこと。 |
(3) |
冊子の内容について責任の所在を明確にするために「奥付」には連絡先、印刷会社名などの要件をきちんと記入してもらうこと。 |
以上の内容は、コミケット準備会でのわいせつ物への対応等も参照させていただき「とりあえずこの線だけは守って対応しよう」として作成した「基本ライン」でした。
私たちは、刑法175条に抵触すると思われる「わいせつ図画」に値するものは印刷しません。「表現の自由」を最大限尊重する立場であるとしても、法律に違反する印刷物を作成するわけにはいきません。
その立場から、ここだけははっきりさせていただこうというラインの策定でした。
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(C)いろいろの問題もありました。 |
各印刷所は、各印刷所の個性や考え方があります。ですから、以上の「基本ライン」はあくまでも指針であり、個々の対応は各印刷会社の責任のもとに対処しなければなりません。
しかし、様々の混乱を招いてしまったのも事実です。しかも、今回の事件はまだ動いている事件であったため、皆さまにも充分なご説明ができなかったことも重なってしまいました。
総じて、なぜいきなり組合が声明を出して成人マークや奥付に対して指針を提示したのか充分な説明ができなかったこと、「わいせつ図画」についての認識が各社間バラバラであったために、混乱や一部の行き過ぎを招いたこと、また成人マークの使い方や「児童ポルノ法」に対する理解度等についても同様な混乱を招いてしまいました事をお詫びいたします。
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| (D)今後の方向性について |
同人誌印刷業組合はもっと勉強して、わいせつ図画の頒布を禁止した「刑法175条」、そして「青少年条例」「児童ポルノ法」といった法令についてきちんと整理して理解することに努めます。
そして、イベンターの方々、書店の方々ともよく話し合い、対処していきたいと思います。
そしてなによりも、もっと皆さまと話し合い、相互理解のうちにこの問題への対処を進めたいと思っておりますのでよろしくお願い申し上げます。
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なお、ここで日本同人誌印刷業組合の体制も刷新を図るべく、理事長以下役員体制を再編成し、理事長は酒井忠久(あかつき印刷)が就任いたしましたのでご報告させていただきます。